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幸福中心生協 廃棄物発生削減のための行動実践

発表者 : 高陽坡州 チョン·ソヨン理事長

幸福中心生協は、創立初期から環境問題に関心を持って活動してきた。組合員らと持続可能な生産や地球の環境保全に向け、一緒に学ぶ、行動し、日常で変えられるものに対する関心を手放さなかった。最近、話題になっている気候危機に関してもたくさん悩んでいる。特に、生活材の包装に使われるプラスチック問題と日常生活で発生するゴミをどのように減らすのか、多様な方法とアイディアを出して、実行もしてみたりする。そして、気候危機時代に対応する様々な方法の中で、ゴミを出さないことが最も基本的で重要な問題ではないかと考えている。

今回は、幸福中心生協で組合員らと進めてきた様々な廃棄物削減活動について紹介しよう。捨てる物をリユース、リサイクル、アップサイクルできるようにする活動であり、使い捨て用品の使用を抑える方法もゴミを減らすための効果がある。

1. リユース(REUSE)活動

1)蘇生市場
私たちは多くの物を持っている。その中には自分には必要ないが、他の人には大事に使われるようなものがある。これらを組合員の集まりの日に持ち出して「蘇生市場」を行い、相互交換したり、非常に安い価格で販売したりもする。お互いに分け合う事を通して、使わなかった物はリユースされ、これで手に入ったわずかな収入でも、生協活動や貧しい隣人との分け合いに使ったりもする。

「蘇生市場」は伝統的な実践方法として、地域で活動する会員生協が様々なテーマで市場やイベントを行う際、蘇生コーナーを設けている。お互いの物を分かち合い、物への思い出や生活の話までもでき、組合員の集まりやイベントの際には欠かせない。コロナ禍で対面が難しい状況だった時はオンラインで「蘇生市場」を実施したこともある。

2)保冷剤の回収
供給される生活材の鮮度のために使われる保冷剤は、溶けたり焦げたりもしない「高吸水性ポリマー」で作られ、水に溶けず、氷より冷気が長く持続するので保冷効果が良い。ジェル状で壊れや破損の心配も少ないため多く利用され、年間2億個以上の生産だが、リサイクルはできない。リサイクルは難しいが、きれいに洗えば2~3回以上リユースができる。

その内容を組合員に広報し、家にある保冷剤を集めてリユースできるよう洗浄業者に渡し、リユースできるようにした。幸福中心生協でもしばらく回収してリユースしたが、現在は水を詰め物にし、紙で包装した環境にやさしい保冷剤を使用している。

2. リサイクル(RECYCLE)活動

1)分別回収
廃棄物の焼却及びリサイクル等の処分を容易にするため、その材質ごとに廃棄物を分類し、それを収集することを分別回収という。消費者は、使った物を生ゴミとして出すことになる。 生活ごみを用途に合わせて分別して排出すると、廃棄物の発生量を減らすことができ、リサイクル可能資源を効率的に活用することもできる。

関連して、生協組合員が利用する生活材の包装材の分別排出について紹介した。そして、リサイクル可能な資源を一緒に回収するキャンペーンも進めている。例えば、幸福中心生協で扱うティッシュは、牛乳パックを溶かして作った再生ティッシュである。牛乳パックは、再生ティッシュ原料に使いやすい資源という生産者の話を聞き、各店舗で牛乳パックを集める活動をしている。家で飲んだ牛乳パックを洗って乾かして集めると、生産者はそれを溶かしてティッシュに作って、組合員へ供給する。組合員は、使用する生活材を通じて資源リサイクルに参加でき、生産者は高級原料を簡単に調達できる生産と消費の善い循環が行われる実践活動である。また、小さくてリサイクルが難しい瓶のふたも別途回収し、リサイクルができるように業者に渡していた。

日常生活で発生するゴミはリサイクルしなければ、埋め立てまたは焼却しなければならず、この場合の費用が発生する。しかし、牛乳パックのように、よく分別して排出されたゴミはリサイクルすることができる。自治体でごみの分別に関する情報を発信し続けているが、分別の基準が複雑で、正確な回収方法については知らせていない。正確な分別排出やリサイクルを増やすため、回収や再分別、再処理についての法制化が必要である。

2)石鹸作り
サラダ油は、料理に最も多く使われる油である。使用済みの廃サラダ油を誤って処理する場合、水質汚染や土壌汚染を発生させる恐れがある。廃サラダ油10mLを薄めるためには、水2,000Lが必要である。莫大な環境コストが発生するのである。そのため、燃えないゴミと燃えるゴミを分別して捨てるように、廃サラダ油も望ましい分別作業が必要である。このような分別作業とリサイクルの一環として、組合員らが廃サラダ油を集めて石鹸を作り、共に分けて使っていた。

3. アップサイクル(UPCYCLE)活動

アップサイクルまたはクリエーティブリユース(英語:upcyclingまたはcreative reuse)は副産物、廃資材のような無駄な物、捨てられる物を新しくデザインし、芸術的・環境的価値が高い物として再誕生させるリサイクル方式である。
幸福中心生協の組合員らは、様々な廃棄物を活用して有用な生活用品に変身させる。アップサイクル活動は、新入組合員の日、代議員の日、委員会活動など、組合員の集まりで進めてきた。捨てられる物から必要な物を得て、新しい物へ創造する経験をしながら、一緒に活動することに対するやりがいを感じることができる。

1)廃垂れ幕でエコバッグ作り
2)古着でエコバッグ、敷物、プラントハンガー作り
3)ハンカチで蝋ラップ作り
4)靴下の輪っかでコースター作り
5)タイルで鍋敷き作り
6)リサイクル遊具作り

4.使い捨て用品を減らす

1) バ・ハ・カップ(エコバッグ、個人ハンカチ、マイカップ:タンブラー・水筒)使用キャンペーン*
*訳注:原語では、エコバッグ、ハンカチの最初の文字とマイカップのカップを組み合わせて「ジャンスカップ」(長寿カップ)
生活の中で、ゴミを作って土壌を汚染させる使い捨て用品の使用を抑え、代替できる使い回し用品を使用するキャンペーンを進めてきた。バ・ハ・カップのキャンペーンは幸福中心生協の代表的な環境キャンペーンである。さらに、キャンペーンを集中的に広報し、実践を拡大しなければならない。

2)包装材を減らす
生協の売り場では、包装材を減らすため、球根類や野菜などを大量に発注し、売り場で小分け販売している。組合員が個人のエコバッグに入れたり、紙袋に入れたりできるようにした。

3)エコバッグのレンタル
エコバッグが用意できなかった組合員には、使い捨てのビニール袋を提供する代わり、エコバッグやカートを貸し出す。

4)綿の生理用ナプキン、綿マスクの作り
使い捨ての生理ナプキンを使う代わりに、綿で作った洗えるナプキンを使うようにした。 使い捨ての生理用ナプキンに入っている化学汚染物質の使用を防ぎ、廃棄物を減らす。

幸福中心の生協では、廃棄物削減に高い関心を持っている。廃棄物の削減は、個人の努力だけでは難しい所が多いため、政策的な法制化が必要である。それにもかかわらず、日常でそれぞれが持続的に実践する活動は、持続可能な生活、持続可能な地球環境の保全に貢献できると思っている。幸福中心生協は今後も、組合員らと共に、続けて廃棄物削減に向けてさまざまな実践活動に取り組んでいく。

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