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生活クラブが取り組む、ごみ減量のしくみ


生活クラブ連合会(Seikatsu-Club)

生活クラブがグリーンシステムを始めたきっかけ
大量生産、大量消費といわれるこの時代に、「使い捨てるのではなく資源を循環させて使うことが大切だ」と私たち生活クラブは考えています。即ち、大量消費・大量廃棄型のライフスタイルから循環を基調としたスタイルへの転換、消費者・事業者等に対してリユース品の利用と返却を促進、あらゆるものを資源・資産として捉え、循環的な利用を図っていくこと等、社会の変革を求めてきました。
しかし、未だ、家庭から出るごみの約60%は容器や包材によるごみと言われ、近年はマイクロプラスチック問題も起きています。ごみを削減することはプラスチック削減であり、環境保全をすすめることになります。

ごみ問題の解決に3Rの考え方は大変重要です。まず、リデュース:ごみの量を減らす、次にリユース:そのままの形で使用者をかえて繰り返し使う、最後にリサイクル:新しい物に作りかえて利用する、です。

生活クラブのグリーンシステム ~地球生態系のためのごみ減量システム~
生活クラブでは、なるべくごみを出さず環境負荷を減らすために、1994年より、リサイクル容器からリユース容器(回収して再使用可能な容器)に切り換える取り組みをはじめました。これを「グリーンシステム」とよんでいます。グリーンは、“Garbage Reduction for Ecology and Earth’s Necessity(地球生態系のためのごみ減量)”から名づけられました。

リユースびんの循環図
組合員宅で出た空びんは、配送センターやデポー(店舗)へ返却され、デリバリセンターを経由して洗びん業者に届けられます。洗浄したびんは、生産者のもとに届けられ再使用されます。調味料やジュースなど、中身の違うものでも、できるだけびん容器の大きさを揃えることによって、回収・洗浄・選別作業の効率アップに取組んでいます。

プラスチック類も回収してリサイクル
現在、生活クラブでは8種類のリユースびんを採用しています。2000年には、牛乳も紙パックからリユースびんに切り替えました。リユースびんを使えない消費材は、リサイクルの観点からガラスびんを使用。ペットボトル使用は、防災用飲料水のみです。また、牛乳びんのプラスチックキャップ、配達用のピッキング袋もリサイクル回収を始めました。こうした一連の活動は、国からも高い評価を受けており、2018年環境省グッドライフアワード環境大臣賞を受賞しました。

生協団体のネットワーク「びん再使用ネットワーク」
「びん再使用ネットワーク」は容器包装のごみ問題を解決するため、「規格統一したリユースびん」の再使用に取り組む生協が1994年にネットワークし、Rびんの社会普及に取り組んでいます。現在生活クラブ連合会、パルシステム連合会、グリーンコープ連合、東都生協、コープクルコの5生協が加盟し、合計約220万世帯になります。自治体が回収してリサイクルした場合と比較すると、CO2の排出量約3000tの削減につながっています。

日本におけるリユースの状況
リサイクルについては、個別リサイクル法の施行等により、一定程度進展しつつありますが、リサイクルより優先順位の高いリデュース、リユースは、現状進んでいません。
特にリユースは主要な循環産業の一つとして位置づけられ、廃棄物や温室効果ガスの排出削減等にも寄与するものです。また、大量消費・大量廃棄型、ワンウェイ型のライフスタイルから、循環を基調としたスタイルへの転換にもつながります。消費者・事業者等に対してリユース品の利用・返却を促すだけでなく、今後は、あらゆるものを資源・資産として捉え、循環的な利用を図っていくべきです。「新品を買う」以外の選択(リユース品の購入・利用、シェアリングサービスの活用等)ができるような場面を増やし、意識も育てていくことが課題です。
 リユースびんについては、販売店に返却され、回収・洗浄されるという仕組みで循環してきました。しかし、販売形態の多様化や消費者のライフスタイルの変化等により、自治体の収集に出される量が増えています。ワンウェイびんと同様に、砕いてリサイクルされると、リユースの輪が途切れてしまいます。

また、消費者のニーズは軽量化・多様化を求め、プラスチックを多用した容器が増加してきたことで、びん市場は次第に縮小、同時にリユースびんそのものも減少しています。さらに、びん回収にかかる費用負担は、自治体へ大きく偏り、輸送コストや回収・再使用ルートの確保の問題もあり、リユースびんを回収する自治体も減少傾向です。

<組合員の活動>
生活クラブのお店に回収場所を設置して、組合員は使用済みのびんを返却します。配送の組合員はコンテナに空きびんを入れて返却します。

組合員へは、機関誌、チラシ、SNS等でリユースの重要性や返却方法を伝えています。びん商の会社の見学会や学習会を開催し、利用して循環することが重要であることを学んでいます。

一例として、利用の多いトマトケチャップ1ヵ月分へ「ビンは返却してね」シールを貼り、声掛けや機関紙等で一斉に呼びかけたところ96.8%の回収率となり、年間回収率アップにつながりました。

ピッキング袋も回収率アップのため、返却方法の簡素化を6月より実施し呼びかけを行っており、徐々に返却枚数が増えています。

1991年「廃棄までトータルに責任を取ることを更に追求する」と決めた容器改善推進プロジェクト答申があります。そこからスタートしたグリーンシステムです。毎年連合会が開催する「エコライフのつどい」では、社会状況や課題・単協活動の共有を図ることができ、生活クラブが「消費から廃棄まで責任を取る」ことの意味を考え、実行する機会になっています。

これからも継続していくために
グリーンシステムが継続している要因は、組合員やびん商、生産者の理解と協力です。グリーンシステムの意義や大切さを理解し、ちょっとした手間を惜しまず、自分たちに「できること」を誠実に継続しています。これからも、グリーンシステムを継続し、組合員のみならず、その趣旨を社会に広げていきます。同時に、プラスチック容器包材の削減についてすすめていきます。

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